高級超望遠ズームレンズはもう出ない話。

 世に出たほとんどのレンズは、使用目的がある程度決められていて製品化されている。今回話題にするのは、ボディの進歩によって目的に対する存在意義が薄れてしまったレンズのお話。


 松屋銀座でSIGMAの製品のプロダクトデザインを担当する人の個展?をやってると聞いて、家から歩いて行ける距離なので散歩がてらに行ってみることにした。

 妙に引き付けられるデザインの謎を解き明かす一つの手掛かりになるかもしれないので、皆さんも是非行ってみて。詳細は松屋HPで。


 帰路にCanonのギャラリーでも見て行こうかと、Canon銀座にお邪魔した。インフルエンサー数人が、新製品のR10を使って撮った写真で埋め尽くされていて、機材を限定した写真展というコンセプトは面白いなぁと。いつかD500だけとかニーニーだけとかでやってみたいねなどと夢物語を宣ったりして。


 そんなことは置いといて、本題に。

 サンニッパ、ヨンニッパ、ゴーヨン、ロクヨン。こんな感じで超望遠単焦点はあだ名が付けられていますが、唯一ズームレンズでみんなが認める*あだ名がついているレンズが一本。

 その名も「ニーヨンヨン」。え?知らない?

 地味ですもんねぇ(苦笑)。現行でこれに相当するレンズは

・EF 200-400mm f4L IS USM Extender ×1.4 (Canon EFマウント)

・AF-S NIKKOR 180-400mm f4E TC1.4 FL ED VR (Nikon Fマウント)

の二本です。「」ひゃくから「よん」ひゃくみりのえふ「よん」だから「ニーヨンヨン」ってわけですね。(Nikon違うじゃん!ってなりますが、コイツの前任がAF-S NIKKOR 200-400mm f4G ED VRIIなので許してやってください。それかコイツにいいあだ名つけてやってください!)

 このレンズはズームレンズの頂点ともいえるほどにめちゃめちゃデカくて、カメラをちょっと知ってる人が見ると単焦点と勘違いするほどです。まぁ当然捻くれてる私はこういうちょっと影の薄いレンズが好きなわけで、Canon銀座でR3を試してたらフロアのお兄さんに「ニーヨンヨンはRFで出ないんですかねぇ〜出たらR3買うんですけどw(意訳)」と言ったら笑いながらこのレンズを求めてる層とかを教えてくれた。


 お兄さん曰く、あのレンズは陸上競技撮影をメインターゲットとして発売されたものらしい。考えてみれば、100m競技をゴール側から撮るのにこのレンズ以上に最適なレンズはないのではないかと。正直、こんな微妙に使いづらいレンズ誰が使うねん!と心のどこかで思ってましたが、漸く本来の使い道が理解できました。

 しかし、近年のミラーレス化、高画素化、クロップ至上主義の波はこんな魅力の詰まったニーヨンヨンにまで影響するとお兄さんは見立てていました。

 陸上競技の会場は屋外で陽が入るからそこまで明るいレンズでなくてもいいし、ある程度大きな会場であればライトも充分に焚かれる。(フリッカーをどうするのかはわかりませんが…)それに、今までCanonは撮影時のクロップモードをほぼ全ての機種で搭載していなかった*が、ミラーレスになり標準装備となり焦点距離のブーストが容易になったこと。クロップしてもファインダーには全画面で映る上に、RF 100-500mm f4.5-7.1L IS USMといった暗いレンズでも問題なくAFが合うようになったことなど。挙げればキリがないですが、様々な要因で代替が可能になってしまったことで、ミラーレス版のニーヨンヨンが出なくても仕方のない状況が生まれてしまっています。このことはNikonでも同様と言えるでしょう。悲しいですね。


 まぁ嘆いていてもしょうがないので、そのうちニーヨンヨン買いますよ。なぜならカッコいいから。レンズなんてぶっちゃけ撮れれば後は撮影者のモチベーションと技量でなんとかなることがほとんどなんですから、見た目が好きとか、他の誰も使ってないからとか、はたまた憧れのあのカメラマンが使っているからとかそういう理由で選べばいいんですよ。

 今回はこんなところで…

 またね。


 今日の話に出てきたレンズの詳細はこちらから


↓Canon EF 200-400mm f4L IS USM Extender ×1.4

↓AF-S NIKKOR 180-400mm f4E TC1.4 FL ED VR

とーきょーあいぬの息抜き

疲れた時にホッと一息つこう

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