北海道大学文学部は英弱向けのフロンティア入試Type-IIを設けないの?

 お忘れかもしれませんが、私は毎年大学受験に挑む戦士なのであります(決して浪人なんて言わないんだからねっ…)。

 ついったやらなんやらで北海道大学の文学部を目指していて、3戦3敗を喫しているのをご報告させていただいてるのですが、今年度もそろそろ志望校について考えなければならない時期がやって参りました。

 国公立大学一般入試前期・後期試験は北海道大学文学部を出願することが確定で、近年の入試改革で地位を広げつつある通称:総合型選抜の枠をどこの大学に出そうかと迷っております。北海道大学文学部に総合型選抜の枠があれば迷わずに出願するのですが、存在しないモノにはどう足掻いたって出願はできません。

令和4年北海道大学文学部後期試験会場

 昨年度は京都大学文学部の特色入試(京都大における総合型選抜)を受験し、惨敗しました。少し脱線して京都大特色入試の受験についてお話します。正確で詳しい情報は京都大のHPを参照してください。

 文学部の特色入試は出願時の資料による評価で選抜する第一次選考と実際に京都大学に行って試験を受けその評価で第二次選考、さらに大学入試共通テストの指定科目を一定点数以上を必要として選抜を行います。

 まず第一次選考は、卒業高校の発行する調査書と高三時の担任教諭が書く学業活動報告書、大学で学びたいことなどを記入する「学びの設計書」を出願と共に同封・提出します。

 出願期間は11月の第一週なので、早め早めに高校の方にも資料の提出が求められるため、夏休み頃に高三の担任に連絡し資料を書いてもらいましょう。そして、連絡する時に「学びの設計書」の草稿を添付したりして担任に自分がどうして志望しているのかを分かってもらい、あわよくば添削してもらうのも一つの手でしょう。

 「学びの設計書」は、手書き800字で主に京都大学文学部で何を学びたいのかを書きます。私は補足として学びたい内容に興味を持ったきっかけや将来の進路についても書きました。より自分が京都大で学ぶに相応しい人間だと思ってもらえるようにその第一歩として自分自身に最低限興味を持ってもらえるようにすることが重要だと考えます。もし、自分が書いたものを(反面教師として)参考にしたい人がいれば連絡ください。簡潔にまとめた文章をお渡しします。

 昨年度の場合、第一次選考は出願者60人全員が通過したようです。あまりにも過激な内容や粗末な内容のものを提出しなければ合格できるのではないでしょうか。京都大の受験票が届いたときはやっぱり結構興奮しました。(笑)

 次いで第二次選考は、「学びの設計書」に関連する論述試験と論文試験を実施します。試験場は京都大学の文学部の建物の1Fの部屋で行いました。集合時刻の30分前くらいから外に並ぶように指示されて、入室に関する簡単な説明(受験票の確認や検温、アルコール消毒をすること等)を受けて時間になったら順に入室。確か4箇所くらいから入れるのでそんなに混雑することなく着席できます。前日からあらかじめ注意事項や座席表は張り出されているので確認しておくといいでしょう。

 一つ目の「学びの設計書」に関連する論述試験は、90分間でA4用紙4枚分の日本語文を読み、その文章に沿った内容で「学びの設計書」に関連づけながら提示される問題に800字以内で述べるというものです。勿論、事前に提出してある「学びの設計書」は試験中に見ることはできません。下書き用紙は1000字分ありました。

 文章は概念的評論*をテーマで、苦手分野だったので少し解答開始まで時間がかかりました。

 解答に際して、文章を理解する力を主として、論理立てて「学びの設計書」と結びつけて記述する文章を構成する力が主に必要だと感じました。ちなみにA~Cの3段階評価をされ、私はB評価でした。主な反省点としては「学びの設計書」を軸に書き始めてしまい、問いに対して論拠立てて解答することが満足にできてなかったように思います。

 二つ目の論文試験は150分で共通の話題の英文と日本語文を読み、それぞれの筆者の主な考えを纏める問題がそれぞれ400字(所謂論旨要約)で2問と2つの文章を踏まえて自らの意見を800字で述べるというものです。下書き用紙は2000字分ありました。

 英語が苦手な私が英文のレベルを評価するのは些か正確性を欠くとは思いますが、明らかに北海道大学の前期試験よりは遥かに難しく7段落しかないにもかかわらず内容理解に時間がかかりとても長い文章でした。一応アルファベット順で語句の説明が日本語で付されていますが、正直役には立ちませんでした。(っていうかアルファベット順でアスタリスクなしの語句説明って微塵も優しさがない…泣)日本語文は論述試験と比べると少しだけ読みやすく、環境系がテーマの評論で、日頃から北海道大学前期試験の英語やセンターをはじめとする評論文で広いテーマで文章を読んでいれば簡単に読むことができるのではないかと思います。

 解答に際して、英文を早く読み理解する力、日本語文の論旨を確実に読む力、各文の論旨を正確に記述する力、意見表明とその論拠立てを各文からバランスよく引き論ずる力がとても高いレベルで必要とされていると感じました。英語が苦手な私の攻略法は、日本語文の論旨要約を行い、英文を読むヒントを日本語文から得て英文の論旨要約を始め、例示と本論を分けながら文章のアウトラインを理解し、要約に必要な部分を大雑把に訳すことをしました。この問いは飽く迄も「筆者の主な考えをまとめなさい。」とあるので英文の正確な和訳は必要ないと判断しました。(大幅な読み違えは大幅な減点を食らう可能性が高いですが…)最後に各文の論旨を参照しながら自論を展開し、提起→各文に沿った論の補強→結論といった流れで最後の問題をこなしました。こちらも3問合わせてA~Cの3段階評価をされ、私はB評価でした。主な反省点としては、やはり英文の論旨ようやくが不十分であったのかと思います。

 以上が第二次選考で、論述試験と論文試験がそれぞれA評価で、これに加えて共通テストが文系5教科7科目で900点満点中概ね760点以上で合格者となるそうです。

 私は共通テストで大コケしたので760点に届かず、合格発表も発表日の翌日になって見るという怠惰をかましました。しかし、北海道大学後期試験の文学部の小論文で善戦できたのは京都大の特色入試で論述形式の問題を解く経験をできたからだと思っています。北大後期の小論文の話はまた今度。


 だいぶ長い脱線になりましたが、今年は総合型選抜の枠をどのように使うかという話です。

 今のところ候補は二つあり、

・東北大学文学部 AO III期

・北海道大学工学部環境社会工学科社会基盤学コース フロンティア入試 Type-I

で迷っています。

 それぞれに受験の上で、また入学後のことでメリット/デメリットがあります。


【東北大学文学部 AOIII期】

 旧帝大の文学部で総合型選抜をしていて二浪の私でも出願できるのは、九州大総合型選抜II・京都大特色入試・東北大AOIII期の3種類で、この中で自分が受験する上での条件(以下の表を元に)に最も適うものは東北大だと判断しました。

 評価項目としては共通テストが文系5教科7科目の900点満点と出願資料による評価が100点満点、そして面接試験が200点満点で合計1200点満点となります。出願要件などの詳細はHP募集要項を参照してください。

 メリットとしては旧帝大の文学部にほぼ共通テストだけで挑戦することができ、苦手な英語に重点を置かれた評価でないことです。また、東北大学の一回生が受けられる他学部の授業は北大には及ばないもののとても価値のあるものと思います。

 デメリットとしては、「北海道大学でないこと」これに尽きます。私が求める生活・学習・制作環境として札幌に勝る場所はないと考えています。些細なことではありますが、2年次以降の専修専攻の選択肢の中に私が文学部で研究したいことが微妙に合致しないことが不安要素として残っています。(面接試験ではその点が上手く隠しつつ自分の学びたいことを伝えたいと思います…)

 受験に際しての不安要素は、面接試験が2月12日にあるために私立大学の一般入試の時期に丸被りで北大前期試験の対策の時間を削られることと、過去の合格最低点の公表が無くどの程度点数を取ればいいのかが全く分からないことです。前者に関しては私大を共通テスト利用のみで突破し、2月の全てを北大対策に充てて、ほんの少しの時間を東北大の面接試験に使うことで調整を行うことで解決しようと思います。後者は今後とも情報収集に努めます。(オープンキャンパスに応募しましたが、抽選に外れてしまいました…面接時のネタを仕込めればと思いましたが無念です…)


【北海道大学工学部環境社会工学科社会基盤学コース フロンティア入試 Type-I】

 北海道大学は2021年からAO入試を廃してフロンティア入試と称した、大学入試改革で設定された総合型選抜に相当するものを始めました。主に理系学部が中心で、文学部の設置はないため、自分が学びたいものに一番近く、試験内容の負担が最低限の工学部環境工学科の社会基盤学コースを選びました。

 評価項目としては、第一次選考が調査書・コンピテンシー評価書・自己推薦書・英語能力(英検などの外部試験を利用)・諸活動の記録の5点で、第二次選考は課題論文と面接試験に加え、共通テストの数学IAIIBと基礎なしの物理の300点満点で225点(75%)以上を条件として合格者を選考します。出願要件などの詳細はHPや募集要項を参照してください。

 メリットとしては「北海道大学であること」これに尽きます。受験回数を増やせることがどれだけありがたいことか…さらにはこの学科で自分の今までやってきた防災工学の研究を初歩から見直して学び直せることがとても大きな利点だと思っています。

 デメリットとしては現在の受験科目に加えて共通テストで基礎なしの物理を追加しなければならないことと、数学を重点に得点を取らなければならないことです。また過去問の開示がないため、科学の基礎的な思考を測る課題論文がどの程度の対策が必要なのかわからないことです。

 そしてこの記事を書いているときに気づいたのですが、北海道大学のフロンティア入試は浪人生お断りだということです!!!

 ここまで書いておいてこれに気づいた時はマジで萎えました。完全に意気消沈です。


 はい…もう結論出ましたね。東北大です。東北大のAOIII期受けます。ってか東北大は浪人生お断りじゃないよね?

 確認してきました。多分大丈夫。大丈夫であってくれ。

 高大接続のための入試改革で作られた総合型選抜に高卒生が入り込む方がおかしいのはわかってるけど、流石にひどくないっすかね…? 


 最後にタイトル回収といきましょう。

 私が求めるのは、北海道大学文学部に高卒生まで応募可能なフロンティア入試を設けることです。具体的な内容としては、第一次選考では他学部と同様の書類提出(調査書・高校側の評価・自己評価・志望理由書など)で評価し、第二次選考で京都大特色入試や北海道大文学部後期入試のような論述試験と面接試験、更には文系5教科7科目の900点満点中80%程度の得点を要する形で選抜をするべきと考えます。もう少し要望を言うと、第二次選考の論述試験で国語と英語の学力を判断するため、共通テストは社会2科目・数学2科目・基礎あり理科2科目の500点満点中75%程度の得点を要する形での選抜が理想的です。

 まぁ、世間様から後ろ指を刺されながら生きている浪人生の戯言なぞ誰も聞き入れてはくれないでしょうがね…北大入試担当さん見てたらどうか検討お願いします!!!!


 私が1万回踏んだ北海道大学の入試に関するHPもご紹介しておきます


 っと、まぁ今回はこのまま勘違いして北大のフロンティア入試に突っ込んで恥を晒すようなことがなかっただけマシと言うことにしておきましょう…

 なんだかんだ言って結局受験勉強好きなんですよ自分。今年もなんだかんだいって頑張らなきゃですね。

 それではまた〜

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